新年を迎えると関西各地で賑わいを見せる「十日えびす」
大阪の今宮戎神社や兵庫の西宮神社を中心に、毎年多くの参拝者が訪れる商売繁盛の祭りです。「十日えびすはいつから?」「参拝では何をするの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、十日えびすの開催日程や歴史、参拝方法や福笹の意味、さらに代表的な神社や混雑回避のコツまで、初めての方でも安心して楽しめる情報をまとめました。
これから参拝を予定している方は、ぜひ参考にしてみてください。
十日えびすはいつから始まるのか
十日えびすの開催日程(毎年の期間)
「十日えびす」は、毎年 1月9日から11日 の3日間にわたって行われる行事です。
特に10日が「本えびす」と呼ばれ、最も多くの人々が参拝に訪れる日となります。9日は「宵えびす」、11日は「残り福」と呼ばれ、3日間を通して商売繁盛を願う多くの参拝者で賑わいます。
開催期間は毎年固定されているため、予定を立てやすいのも特徴です。会社や商店の経営者だけでなく、個人で商売やフリーランス活動をしている方も足を運ぶ習慣があります。
十日えびすの由来と歴史
十日えびすは、七福神の一人である「えびす様」を祀る神社で行われる行事です。えびす様は漁業や商業の神様として古くから信仰されており、特に関西地方で厚く崇敬されています。
その起源は中世までさかのぼるとされ、漁業の豊漁祈願から始まり、時代が進むにつれて商売繁盛を願う祭りへと発展しました。江戸時代には町人文化の広がりとともに盛大な行事となり、今では関西を代表する正月の風物詩のひとつになっています。
関西を中心に広まった理由
十日えびすが関西を中心に発展した背景には、商業の中心地として栄えた大阪や神戸の存在があります。大阪の「今宮戎神社」や兵庫の「西宮神社」は全国的にも有名で、毎年数十万人規模の参拝者が訪れます。
また、関西人特有の商売への情熱や、地域文化としての結びつきが強いことも、十日えびすが地域に根付いた理由のひとつです。
今日では観光行事としても注目され、全国から多くの人が訪れる盛大なお祭りとなっています。
十日戎では何をするのか
参拝の流れと作法
十日戎での基本的な参拝は、まず神社の本殿にお参りし、商売繁盛や家内安全を祈願することから始まります。一般的な神社参拝と同じく「二拝二拍手一拝」の作法で行い、自分や家族、仕事に関する願いを心を込めて伝えます。
また、十日戎では「笹」を授かるのが大きな特徴です。本殿でのお参りを済ませた後に福笹を受け取り、縁起物を付けてもらうのが伝統的な流れです。
福笹を授かる意味
福笹は竹の枝に縁起物を取り付けたもので、十日戎の象徴的な存在です。竹は成長が早く、真っ直ぐ伸びることから「商売が繁盛する」「家業が栄える」といった意味が込められています。
福笹には小判や米俵、鯛、宝船などの飾りを付けることが一般的で、これらにはそれぞれのご利益があるとされます。例えば鯛は「めでたい」、米俵は「豊作・繁栄」を象徴します。
参拝者は自分の商売や家庭に合った飾りを選び、翌年まで大切に祀るのが習わしです。
屋台や露店の楽しみ方
十日戎のもうひとつの魅力は、境内や参道に並ぶ屋台や露店です。参拝に訪れる人々の楽しみとして、たこ焼きやお好み焼き、甘酒など関西ならではの食べ物を味わうことができます。
夜になると提灯や明かりに照らされた境内が幻想的な雰囲気に包まれ、家族連れや友人同士、観光客で賑わいます。屋台のグルメを楽しみながら参拝すれば、信仰とお祭りの両方を体験できるのが十日戎ならではの魅力といえるでしょう。
十日えびすを代表する神社とアクセス情報
今宮戎神社(大阪)
大阪市浪速区にある「今宮戎神社」は、十日戎の中心ともいえる存在です。
通称「えべっさん」と呼ばれ、毎年100万人以上が参拝に訪れます。境内には福笹を授ける「福娘」の姿があり、華やかな雰囲気で新年を迎えることができます。
アクセスは、大阪メトロ堺筋線・恵美須町駅から徒歩すぐ、南海高野線・今宮戎駅からもすぐと、非常に便利です。大阪市内観光と合わせて立ち寄れるため、観光客にも人気があります。
西宮神社(兵庫)
兵庫県西宮市にある「西宮神社」は、えびす信仰の総本社として知られています。
毎年行われる「福男選び」は全国ニュースでも取り上げられ、早朝から多くの人々が集まります。特に本えびすの日は混雑必至ですが、それだけ大きなご利益を求める参拝者が多い証拠です。
アクセスは、阪神電鉄・西宮駅から徒歩約5分。大阪や神戸からのアクセスも良く、関西圏内から多くの参拝者が訪れます。
京都ゑびす神社 ほか
京都市東山区にある「京都ゑびす神社」も有名な十日えびすの開催地です。境内のえびす様に願いが届くよう、「鯛の奉納」や「本殿横の壁を叩く」など、ユニークな参拝スタイルが特徴です。歴史ある京都の町並みと合わせて参拝できるため、観光を兼ねて訪れる人が多くいます。
このほかにも関西各地には「えびす神社」と呼ばれる場所が点在しており、地域ごとに特色のある十日戎が行われています。地元に根付いたお祭りとして、それぞれの神社で賑わいを見せています。
十日えびすに行く前に知っておきたいポイント
混雑する時間帯と回避方法
十日えびすは全国から多くの人が訪れるため、特に「本えびす」の10日は大混雑します。昼間から夕方にかけては参道が人で埋め尽くされ、数十分並ぶことも珍しくありません。
比較的空いているのは、早朝や平日夜の時間帯です。どうしても混雑を避けたい場合は、9日の「宵えびす」か11日の「残り福」に訪れるのがおすすめです。どちらの日もご利益は変わらず、落ち着いて参拝できます。
子連れや観光客でも楽しめる工夫
子ども連れや観光で訪れる方にとって、人混みは大きな負担になることもあります。そのため、できるだけ早い時間帯を選び、混雑を避けることが大切です。また、ベビーカーより抱っこひもを使うほうが移動しやすい場合もあります。
屋台や露店も大きな魅力ですが、迷子対策として事前に集合場所を決めておくと安心です。観光で訪れる場合は、神社周辺の飲食店や名所を合わせて巡ると、より充実した一日になります。
御利益を最大限にいただくための心構え
十日えびすは単なるお祭りではなく、信仰行事です。参拝する際は、賑やかな雰囲気を楽しみつつも、えびす様に感謝の気持ちを伝えることが大切です。
また、授かった福笹は一年間大切に祀り、翌年の十日戎に返納するのが基本的な流れです。こうした習わしを守ることで、信仰と伝統を尊重しつつ、ご利益を受け継いでいくことができます。
まとめ
十日えびすは、毎年1月9日から11日にかけて行われる関西を代表する新春行事で、商売繁盛や家内安全を願う人々で賑わいます。特に10日の「本えびす」には全国から多くの参拝者が訪れ、福笹を授かるなど独自の風習が受け継がれています。
参拝では本殿での祈願に加え、福笹に縁起物を飾りつけて持ち帰るのが伝統的なスタイルです。屋台や露店も楽しめるため、信仰と祭りの両方を体験できる貴重な機会といえるでしょう。
代表的な神社としては、大阪の今宮戎神社、兵庫の西宮神社、京都ゑびす神社が挙げられます。アクセスも便利で、観光を兼ねて訪れる人も少なくありません。
混雑を避けたい場合は宵えびすや残り福を狙うと良く、子連れや観光客でも楽しめる工夫を取り入れると安心です。また、福笹は翌年に返納するなど、伝統的な習わしを守ることでご利益をより深く感じられるでしょう。
「いつから始まるのか」「何をするのか」という疑問に触れつつ、十日えびすは信仰と賑わいを両立した関西ならではのお祭りです。これから訪れる方は、ぜひその雰囲気を肌で感じてみてください。
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